月別アーカイブ: 2013年10月

徳島会場のマンション勉強会

一日中あいにくの雨空でした。会場はJR徳島駅前のシビックセンターです。この建物は図書館など公共施設と百貨店「そごう」との複合施設で大変立派な施設でした。
会場にはプロジェクターとスクリーン、そしてマイクも準備されていて、幸いにも部屋の開錠が12時半くらいだったので勉強会開始まで1時間ほどの余裕がありました。

いつもの通り午後1時頃から参加者が集まりだして、10分くらい前から集中的に来場されます。毎度の勉強会では定刻になると参加者数に係わらず所定の時間通り開始し、途中休憩を挟み5時には会場から出るようにしている。
この勉強会は通常のセミナーと異なり、私の話の途中でも質問を受けるようにしている。時にはある質問に対し、他の参加者が答えるといったことも多々あります。内容によっては複数の方の発言で盛り上がる事もあり、活発な意見交換がその場を活き活きとさせる事となります。ただ質問が長くなりすぎるとイライラがつのってくることも。

このような勉強会には初めての方が多く、最初はどんな話か(値踏み)聞いたろ。そのうち段々前のめりになりだし、終わりの頃は真剣にメモを採る。このように姿勢が変化する人はひと歳いった男性に多いように思えます。

今回の参加者は16名であり、「もう少し早く知っていれば(私のことを)」といった反応が多くありました。
昔、建診協の理事長が言った言葉を実感しています。「勉強会は社会を良くする活動だ」と。

土日のマンション勉強会

明日から連続土日でマンション勉強会があります。
明日(土)午後は岡山県・岡山市・倉敷市(3団体)主催の第10回岡山マンション基礎セミナーです。会場は岡山市の西側アイプラザで、参加者は140名くらいだそうです。
このセミナーには私たちが所属する建診協中国・四国支部も協力団体としてお手伝いをさせていただいています。具体的なご協力としては、過去の建診協マンション勉強会にご参加頂いた400名以上の方々へのご案内と、今回は第10回目の節目と言う事で建診協本部の山口実理事長が「大規模修繕の進め方と基礎知識」と題しての講演です。
今回はセミナー後の相談に来られる人が多くて対応が仕切れないかも心配です。

明後日(日)午後は建診協中国・四国支部主催の(支部通算第34回)、誰も教えてくれないマンション管理運営と大規模修繕」です。会場は徳島市のシビックセンターです。
その後は11月17日(日)午後松山市、12月22日(日)午後岡山市、さらには来年2月23日(日)午後広島市と続きます。

昨日は広島の国交省中国地方整備局に行ってきました。
目的は来年2月の広島市で予定している勉強会に対する講師の依頼と後援名義の件でした。一昨年岡山市でのセミナーに講師として来て頂いた事もあり何とか支援を頂ければと期待しています。

支部主催のマンション勉強会も平成20年から始めて多くの方に出会うことができました。勉強会の講師としてまだまだ頑張るつもりなので管理組合の皆様どうぞよろしくお願いいたします。

新住協の提唱する住まい

高断熱住宅(Q1.0住宅)を推進している新住協事務局長の3.11直後のレポート

新住協の本部事務局は宮城県仙台市にあり、常務理事で統括事務局長の会沢健二氏は、この度の未曾有の大地震を体験したレポートを発表されています。当然被災直後の悲惨な状況の記述もありますが、ご自宅も新住協の開発した技術を活用した住いでした。以下レポートの抜粋です。

「停電・・・暖房無しのQ1.0改修住宅」
(大災害に遭遇して)私たち新住協の家づくりはどうでしょう。私は今回、自分の家で一つの確信を得ました。3年前に断熱耐震改修した我が家は、震度7の地震にほとんど無傷で耐えました。屋根も壁も、家具調度の類も被害は皆無に近いのです。一方、十一日の地震後、その日から暖房を切りました。灯油の一滴も使わないで暮らすことにしたのです。(というより、停電で暖房が使えなくなったこともありましたが、何よりも避難所に凍える人をみて、全室暖房する心情にはなれません。それが仮に1日1~2㍑しか使わないとしてもです)そして今日まで1週間、暖房を止めたままです。この間、2日続いたみぞれ混じりの朝に室温が12℃位になりましたが、起きている間は15~16℃位になりますからちょっと着込めば寒くはありません。そして日が照ると室温は17~18℃に上がります。3月という時期もありますが、暖房なしでも支障なく暮らせました。高いレベルの高断熱住宅のお陰です。隣町に住む知人からも、暖房できない3日間の最低室温は14℃だったので灯油買いに走らないで済んだというメールが入りました。高断熱がもっと普及していたら、高断熱がもっと高レベルだったら、灯油パニックも起こらなかったのです。

「新住協の家づくりについて」
しっかりした高断熱にこだわってきた私たち新住協の家づくりが、いざというときに大いに必要だったこと、大きく役立つことが証明されました。これこそが社会に役立つ立派な仕事ではないでしょうか。
原発はもっとも恐れていた事態に陥りました。もうオール電化がクリーンだと言う人はいないでしょう。エネルギー政策を原点から見直すときがきました。そもそも大切な電気を暖房に使ってはいけなかったのです。
私たち新住協が推進してきた超省エネ型高断熱のQ1.0住宅、それに太陽光給湯、太陽光発電をプラスした家づくり、これから向かうべき方向がはっきり見えたのではないでしょうか。
今推進している断熱耐震リフォームも然り、基本はしっかりした高断熱です。
断熱にやりすぎはありません。Q1.0住宅を今こそ大きく推進しましょう。

2011/03/22 新住協事務局会沢健二
http:/しっかりした高断熱です。
断熱にやりすぎはありません。Q1.0住宅を今こそ大きく推進しましょう。

2011/03/22 新住協事務局会沢健二
http://shinjukyo.gr.jp/

工事請負契約の下打ち合わせに行きます。

一生のなかで何度も建築工事の請負契約書を取り交わす人は少ないと思います。私は仕事の関係上多くの契約書に監理者として捺印してきました。

私たちが監理者として工事の契約書に関与する場合は、工事施工者にこと細かく資料添付を要求します。
1. 契約書の鏡
2. 工事請負契約約款
3. 設計図書(見積書、設計図、仕様書)、もちろん当方が作成した資料です。
4. 現場説明書
5. 質疑回答書
6. 公聴会(ヒアリング)資料
7. 契約前の打合せ記録書

物件によっては契約書の厚さは8センチにも及ぶ場合があります。なぜ事細かく契約書を整備するのかといえば、曖昧さを残せば時として金銭面を含む混乱まで生じるからです。当然混乱が生じれば発注者であるお客様に対して迷惑がかかります。別の見方をすれば、工事請負側に自由裁量の余地を残さないことでもあります。

工事が始まれば契約書に綴じこんである設計図書等の資料どおりの品質の工事が進む事を期待し、そのために監理を実施してゆきます。当然工事過程の記録もしっかりと残す事も重要となります。

理想の住いを考える(No.4)

~自然の恵みを生かす~
1997年に日本海で起きたナホトカ号の重油流出事故。メキシコ湾での海底油田の流出事故などの環境汚染問題、一方地球環境に与える影響などの点からも化石燃料の限界を問われだしてきました。さらには原子力エネルギーの問題等自然エネルギーへの関心も高まってきました。

これまで省エネは産業界を中心に法で規制されてきましたが、住宅のエコポイントに象徴されたように住いの分野でもエネルギーをいかに抑制させるかが問われてきました。この問題は住宅の断熱性能の向上で消費エネルギーの抑制を図るものです。しかしこの問題をもう少し踏み込んで考えてみると、化石燃料をベースにしたエネルギー住宅から、自然のエネルギーを大いに活用する方向に進んでゆくことが考えられます。

住宅の分野で政府の方針は平成11年比でエネルギーの消費量を50%にするといった目標を掲げています。そのために13の要素技術で省エネ効果を大きくし、化石燃料の比重を極力押さえる方向へと誘導しようとしています。13の要素技術とは、01自然風の利用・02昼光利用・03太陽光発電・04日射熱の利用・05太陽熱給湯・06断熱外皮計画・07日射遮蔽手法・08段冷房設備計画・09換気設備計画・10給湯設備計画・11照明設備計画・12高効率家電機器の導入・13水と生ゴミの処理と効率的利用です。
太陽光発電の普及、照明器具の照度性能、太陽熱給湯のハイブリッド化、特に最近テレビのCMなどで紹介されるLED照明などの技術には著しい進歩があります。
おそらく数年程度で、住宅に要す化石燃料は50%の目標には、住宅の断熱性能と共に、住宅を装置として外的音熱環境に対し、時季や時間に応じて最適な状況に機能するハイテク住宅の出現も予測されます。

これからの住宅は、今までの住まいづくりの延長ではなく、全く新しい考え方が求められるといっても過言ではないかもしれません。
日本には5000万戸の住宅ストックがあります。これらの既存住宅の断熱性能と機能向上の改修と耐震改修が大きな課題となってきます。

理想の住いを考える(No.3)

~健康障害を引起す隠れた悪者~
健康障害を引き起こしたとしてメディアに取り上げられた建築資材は多くあります。例えば記憶から消え去らないアスベストなどもそうです。アスベストは身近な建材として多く使われています。殆んどの建材は解体処理する時に危険性を問われるのであり、日常の生活では全く問題はありません。

怖いのは目に見えなく静かに障害を発しているものです。列挙すると、シックハウス・電磁波・結露・結露を起因とするハウスダストなどでしょうか。
欧米では「シックスクール」「シックオフィス」「シックビル」といった言葉が一時期あったようです。日本も2003年7月施行の建築基準法で規制され、「シックハウス」対策がなされました。内容は建材の使用制限と放散される有害化学物質の排気義務です。
ここで「シックハウス」のことを少し。「シックハウス」は建材に含まれるホルマリンと尿素が気温とともにガス化して放散するのです。この放散する過程で水に溶け込むのです。加水分解)と言うそうです。水に溶け込んだガスは、床面に対流しやすいので、小さなお子さんに最も影響を与えると言われています。

知り合いのある社長さんが、その社長さんのお知り合いの方の工務店が建築した住宅の測定を行ったことがあります。もちろん建築基準法で規制がなされている完成したばかりの住宅です。知り合いの社長さんから測定結果を聞かされた経験がありますが、それは基準値0.08ppmを大きく上回っていたのです。このことを知らされた工務店の社長さんは当然のことながらびっくりしたそうです。健康を前面に出して事業をされている工務店だから想定外の結果に驚かれたのでしょう。
この件で注意しなければならないことがあります。それは有害化学物質の出所です。住いの中には建材ばかりではなく、家具も多くあるはずです。「シックハウス」の元となる有害な物質がどこから発生しているのかを明確に見つけることは大変重要なことです。原因の特定ができなければ、適切な対処もできないからです。
「シックハウス」を引き起こす有害科学物質のコントロールは、加水分解なので、室内の温度と湿度を制御することで軽減できると思います。具体的には充分性能を期待できる高断熱・高気密そして計画的に機能する換気設備です。このような住宅では、結露の発生も抑制されるので、アレルギーとか喘息の原因といわれているハウスダストのリスクも大きく軽減されるのです。

理想の住いを考える(No.2)

~人にとって快適な温度と湿度は?~
人は誰でも一定範囲内の温度と湿度の環境では快適だと感じるのではないでしょうか。もちろん快適だと感じる環境は人によってかなりのばらつきもあります。一般的に言われているのは、赤ちゃんやお年寄りでは、冬18~24℃・45~65%。夏だと22~26℃・50~70%くらいでしょうか。もちろん居住する部屋によっても大きく変わります。居間や食堂では、20~25℃・40~65%。寝室では、16~25℃・40~65%。このように見てゆくと大雑把に、温度18~25℃、湿度40~65%くらいかなと思えます。

私たちは、快適と感じる温度と湿度が下回ったり、あるいは上回ったりすると不快と感じるから、少しでも快適な環境に近付けるため、暖房器具やクーラーで補足しているのです。
ところが問題なのは、折角暖房器具やクーラーで室内の熱や湿気を取り入れたり出したりを機械的に行っても、住宅そのものの断熱や気密の性能が劣ると、あたかも水をザルで受けているのに等しい状態なのです。いくら熱を取り入れても、その先から熱気は外に遠慮なく出続ける。逆にいくらクーラーで室内の熱を外気に排出しても、隙間や断熱性能の劣る窓などから熱気がどんどん入ってくるのです。熱は高いところから低いところに流れる性質を持っています。湿気も同様です。

日本の気候は四季がはっきりしているといった特色を持っています。春と秋は本当に快適で気持ちの良い最高の季節ですが、日本列島は南北に長く、冬の北海道や東北地方では、地域にもよりますが平均最低気温がマイナス10数度にも達します。
一方夏は各地で35度以上の記録も一般的となりました。もちろん夏季の湿度は70%を超える日が連日続きます。特に近年の気候変動による地球環境は異常なくらいの厳しさが当たり前となりつつあります。

いずれにせよ、人が快適だと感じる環境は変わりません。このままだと快適さを求め続けるために、化石燃料に頼る暖房方法や冷房方法が補足から主体になっていますが、これには一定の限界があると思います。

これからの時代は建築生産に携わる者のとして、住宅を快適環境として維持するためには、熱と湿気を自由にコントロールできる装置として考えることも必要ではないかと思います。もちろん熱源は太陽の熱や光、自然の風・蓄熱などといった工夫も大いにすべきです。

理想の住いを考える(No.1)

~住いにもっと高い性能と機能の視点を~
理想の住宅とはどのようなものなのだろうか?欧米先進国においては、「住宅こそ福祉である」といった概念は30年くらい前から言われているように聞き及んでいる。
したがって、理想の住宅を考える基準として、性能と機能を挙げてみたい。
もちろん高い品質を基本とし、建築が担保しなければならない社会性・芸術性・経済性・機能性は当然として、これまでの住宅の建築生産の過程でどれくらい性能と機能を意識してきたかを考えることから始めたい。
理由は簡単である。住宅と健康、住宅と安全の関係が今日ほど言われている時代がないからです。つまり消費者(住い手)が食の安全とともに暮らしにおける健康と安全に目を注ぎだしたことであり、そのことが住宅にも問われ出したからである。

国も住宅の量から質への転換を提唱して久しくなる。
この背景には、日本の住宅が短命住宅であることも背景のひとつではないでしょうか。何世帯も住み続けられる住宅がなぜ無くなってしまったのかも、考えてみる必要もあるように思える。
ではなぜ本来安全と健康を担保しなければならないはずの住宅が、住い手の健康と安全を損なってしまうのかを考えてみたい。

古来伝統的な日本の住宅は、吉田兼好が記しているとおり、「家の作りようは、夏を旨とすべし。冬は、いかなるところにも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」が常識であった。この常識を専門家の視点から考えてみると、夏は風通しを計ることでしか暑さに対処する方法がなかった。一方冬はサッシのような気密性富んだ建材もなく、隙間風を塞ぐ手立てがないものだから、衣服の調整で寒さに耐えるしかなかったのではないだろうか。

近年、暑さと寒さが人間の体に与える影響も言われるようになってきました。例えば夏の気温の上昇でお年寄りの死亡率が高まる。冬の寒さが血圧変動などの引き金となり、冬に倒れて亡くなるお年寄りが多いことなどです。
住宅と健康障害などは、身体的弱者である小さなお子様やお年寄りに顕著に現れます。次回以降で、性能と機能が高い住宅は安全と健康に良い影響を与えるかをお伝えします。

家庭内事故の意外な現場

安全でなければならない家庭で起きる事故の事はあまり知られていない。
段差解消や手摺を付ける、このようなところは何も説明しなくてもお分かりだろうと思います。しかし事故は高齢者だけのものではありません。小さなお子さんにも危険はたくさんあるのです。

では家庭内のどこで事故が多いのかを考えてみると、高齢者では居間が一番多くて、浴室での転倒が多いようです。居間が意外に多いのは床に置いていた新聞やチラシ、電気製品のコードに足を引っ掛けるといったものです。
一方特に危険なのは、浴室・脱衣室・トイレなどで起きる「ヒートショック」です。「ヒートショック」は住宅内の急激な温度差に起因する事故で、年間3000人もの人が死亡していると言われています。

次に小さなお子様の事故ですが、台所の火や刃物の事故が考えられるが、一番多いのはドアなどにぶつかる、建具で指を詰めるなどの事故のようです。危険と思しきところへの気配りが親御さんの意識のなかで大きいのかなと思われます。もちろん転落事故だってあるわけですから気をつけなければなりません。

外断熱か内断熱か

住宅の断熱を考えるとき、どんな理由で外断熱か内断熱の論争がなされているのだろうか。
外断熱は外壁の外側を断熱材で覆います。内断熱とは外壁の内側に断熱材を張ります。木造の在来工法(大工さんの建てる家)は外壁内に断熱材を入れます。したがってこれも内断熱工法と称しています。

断熱材の性能としては熱伝導係数で表されています。数値が低いほど性能が優れている事になります。大雑把に空気は0.024、鉄は80、木材は0.14、因みに魔法瓶などで知られている真空は0.00137です。
これをみると鉄骨系のプレハブでは外断熱工法でしか考えられないのです。鉄はよく熱を伝えるので「熱橋材」とも言われています。一方木造は鉄に比べるとはるかに熱を伝えにくい材料です。しかし空気と比較すると大きいですがこの部分はやむなしと考えています。

断熱材の種類は多くあります。スタイロフォーム、グラスウール、古紙を加工したセルロース、羊毛など。それらをチップ状に加工し機械を使って狭いところに吹き込む工法などもあります。
断熱材の選定は、火災の際に有害なガスの出ない、あるいは燃えにくい材料である事は大前提となります。そして解体処分の際に分別が容易でありリサイクルも簡単である事もポイントとなります。もちろん安価なものでなくてはなりません。

最近ではコンクリート外壁の内と外側に型枠代わりとして発泡スチロールを使った特殊な工法もあります。もちろん型枠代わりの発泡スチロールはそのまま存置し断熱材としての役割も残すのです。