管理委託契約書の中身を考える

国土交通省は「標準管理委託契約書」と「標準管理規約」を示しています。また機能不全の管理組合対策のガイドラインの検討も継続中です。ガイドラインの骨子は管理の担い手の減少と無関心対策が主となるようですが、適正な支援体制を法的に整備した後に何らかの方策が示されるのだろうと思われるが現状は未だ定まっていません。

マンション全体が活力ある姿であるためには、最低限、管理規約と管理委託契約に対する知識は欠かせないと思います。

今回は管理委託について考えて見たいと思います。契約という概念は日本社会では深く根付いていないと考えさせられる事があります。言うまでもなく契約書は利益相反の当事者が、義務と責任について合意した事を明文化するものです。ところが多くのマンションの役員でもこの点について認識している人が少ないのが残念です。規約もそうですが、管理委託についても文書を読み返し理解していないと“管理会社依存症”から脱却できないのです。

私がこれまで出会った管理組合の中で、この点に目を向けているマンションは本当にしっかりしています。管理会社との関係はお付き合いではなく契約に定められた取引に他ならないのです。この点を理解できれば双方の関係にも緊張感があり、管理組合主体の運営が進みます。

 

では管理委託契約書の中身で少し気づいた点を。

先日のマンション勉強会の後、あるマンションの理事長様と面談する機会がありました。そこで彼は、「契約期日が来るので契約の中身を変える協議を管理業者と行おう思う」と言われました。委託内容のサービスについては一般的なメニューでしたが、その中で管理業務を一括で管理業者が請負うのですが、第三者への再委託の部分の開示を求める条項を付加されていました。管理業者が管理組合から業務を一括で請負っていても、下請け業者にどの部分を幾らで再委託しているのかは、多くの管理会社は開示していません。

公共工事などの場合は、下請け業者名簿と使用メーカーリストの提出は元請業者に義務付けています。更に下請け業者との再発注の契約書の提出も義務付けているのです。

理事長様がお作りになった契約書の原案に目を通した中で、契約解除の条項も任意解約についてしっかりと示されていたので、これもさすがだなと思いました。

また管理業者の営業活動について、マンションの管理室や集会室などを無償で使用できるといった条項が入っている場合もありますがこの点も明示がありませんでした。

 

良い管理会社の基準を考えると

  • 業務の中身に透明性があること。これは要求すれば第三者への再委託の中身も積極的に開示する。
  • 未収金対策(滞納者対策)に対するしっかりとしたマニュアルを持ち、管理組合の前面に立って解決する意思が明確で、管理規約等に明文化するようアドバイスを行なう。
  • 理事会・総会の支援を積極的に行ない、居住者の参加を促し、多くの管理組合員を出席させる。
  • 様々な課題を顕かにし、理事会で検討すべきか否かを整理し適切なアドバイスをする。
  • 日常の案件を整理し、優先順位を明確にして役員の意思決定を支援する。
  • マンションの財務状況を常に把握し分かりやすく理事会に報告する。
  • 修繕工事などの費用を効率的で無駄のない方法でアドバイスし強引な利益誘導を行わない。
  • 委託契約以外の売り込みを行わなく実務に励む。(「契約以外のことを言い出したら気をつけよ」これはマンション管理センターの方がセミナーで言ったことです)

結論はお客様である管理組合の利益が優先と考え、管理組合に寄り添える会社です。契約内容以外のことを言い出す。奨める。これには注意が必要かもしれない。

管理会社とは長く良いお付き合いを望んである管理組合が大半ですが、多くのマンションが管理会社を変えたいと考えている点は残念な事だと思います。管理組合にとって管理会社との関係は、適正な取引を通じて互いの信頼を築き、長期にわたり良きパートナーであるべきです。

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